hireLink vol.14 ゲーム性と物語とキャラクター レポート

こんにちは! hireLink運営事務局の工藤です。

本日は4月14日木曜日に行われたhireLink vol.14 ゲーム性と物語とキャラクター ~ゲームプランナーの創造価値を、運営で摩耗させない設計手法~ のイベントレポートをお送りいたします。

松永純さん登壇!

松永純

matsunaga

株式会社セガ・インタラクティブ モバイル・インタラクティブ研究開発部 部長
『チェインクロニクル』(スマホ)/ディレクター、メインゲームデザイン(運営後、総合ディレクターを担当)
『三国志大戦』(アーケード)/メインゲームデザイン(運営後、ディレクターを担当)
『戦国大戦』(アーケード)/ディレクター
株式会社セガ・インタラクティブオフィシャルサイト掲載中のインタビュー

チェンクロ』私も楽しませてもらっています!「クロニクル(年代記)」の看板に偽りなしのまるで小説を読んでいるかのようなストーリー性と、初心者を置いて行かないゲーム性、課金しなくても面白い運営の妙が詰まったモバイル時代の新しい王道RPGだと感じております!

モバイル時代のゲームと今までのコンシューマーゲームの違いを理解する

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松永:
モバイルゲームが全盛を迎えた昨今ですが、いまだにこの市場では、楽に遊べるゲーム性が求められ、物語は添え物にすぎない、キャラはお金を生むための商品だという風潮があります。
いずれも「ゲームを作りたい」という想いが強い人にとっては、悲しむべき風潮ですが、それはある一面では真理でもあります。
なぜならモバイルゲームは、すべからく「運営」を必要とするゲームだからです。
運営するゲームは、ゲームを遊ぶのが面倒だと続きません。物語を作りこんでも、すぐに消化されてしまいます。キャラでお金を生まなければ、タイトルを維持することができません。

確かに、純正ソーシャルゲームに替わりネイティブアプリゲームが増えてきているものの、ガチャと友達機能に代表される運営とセットになったモバイルゲームは、それまでのコンシューマーゲームと根幹が大きく違うからこその問題があるように感じることがありますね。
無課金や少量課金だとまったく楽しめなかったり、SRの上のSSRの上のSSSR…と強さやレア度がインフレ化したり、コミュニケーションに疲れたり、きりがない育成…。

松永:
では「ゲームを作りたい」我々はどうするべきか。
チェインクロニクルでは各要素の摩耗を初期設計によっていかにして防ぐかに注力しました。
運営でのビジネス的な側面と、開発者としてのクオリティ価値を両立させるためのメソッドを紹介します。

モバイルゲームにはなぜ運営が必要なのか

モバイルゲームの面白さのひとつに、「運営があること」があります。
ふつうの家庭用ゲームであれば、始めた時は楽しくても、1ヶ月くらいで飽きてしまうものです。
ですが運営のあるモバイルゲームでは、毎週イベントが起きたり、どんどん更新されるので、毎日飽きずに遊べます。
しかし飽きずに毎日遊べるために運営が必要となるのですが、それによって

  • ゲームを遊ぶのが面倒だと継続してプレーしてくれない
  • 物語を作りこんでもすぐ消化されてしまう
  • キャラでお金を生まないと、タイトルが死んでいく

といった問題がしばしば起きてしまう。
ゲームも物語もキャラも開発・リリースのタイミングにおいては作品としての輝きを放っているのに、運営がビジネス面を考えだした途端つまらなくなっていく。
これはどうして起こるのでしょうか?

ゲームの価値が損なわれる原因

ゲーム性 ~ずっと面白いゲームを作るには~

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松永:
ゲーム性を守るためにまず大事なことは、ゲームのコアデザインと、ゲームの拡張要素をきちんと分解して設計するということです。

コアデザイン

コアデザインとは、ゲームにおいて、あとから絶対に変更しない要素と、プレイヤーがはじめに体験するゲームの基本ルールのこと。
チェンクロで言うと

  • ディフェンスゲームの基本ルール
    ⇒ラインを越えるか全滅すると負け等
  • 基本操作方法
    ⇒タッチで行先を指示
  • 上記に発生するパラメータ種類
    ⇒HPとATKがある……等
拡張要素

対して拡張要素とは、ゲームにおいて、あとからどんどん追加をおこなう要素であり、プレイヤーがあとから新しい楽しみ方を見つけるゲームの発展ルールのことですね。
チェンクロで言うと

  • スキルの内容
  • アビリティの内容
  • 職業
  • 武器

ですね。

松永:
以上のようにゲーム性をコアデザインと拡張要素に分解した上で、
コアデザインが、どれだけ複雑になっているか?(どれだけ単純になっているかではなく)が重要です。
ですので、下記のようなゲームは一見面白く見えても、「ずっと面白いゲーム」にはなかなかなっていかない可能性が高いのです。

バトルはコマンドRPG風でオートで進行。
多彩なスキルがあり、内容に応じて
スキルボタンをいつ押すかが鍵!

松永:
これはあくまで例題ですが、たとえばこういう内容だと、コアデザインにあたるのは「コマンドRPG風」という箇所になります。
コマンドRPGというのは、意外と内部的なパラメータは単純です。
単純だと何が困るかというと、拡張要素のほうに広がりが持たせられないんですね。
拡張要素というのは、ここでいう「多彩なスキル」です。
でも単純なコマンドRPGだと、スキルで差を出そうとすると「属性」と「威力」くらいしか、調整ができなくなってしまって
運営の途中で、多彩でもなんでもないものになってしまいがちです。

松永:
逆に、コアデザインに適切な複雑さを持たせてあげると、無理のない拡張ができるようになります。
重要なのは、複雑なパラメータ設計のゲームだけどユーザーからは簡単に見えるようにすることです。
それが、運営でゲーム性を迷わせないようにすることにつながります。
例えばチェンクロでは守備側に3×3のマス目があるように見えますが、実際には3×3=9つの座標があるわけではなくフリー座標なんです。

なるほど!日頃ゲームをプレーしていて感じるもやもや感が言語化された気がします!でも実際に作るとなると難しい部分もあるのでしょうが、そこがゲームクリエーターの腕の見せ所というわけですね。

この日のhireLinkではその他、

物語を守るために

キャラクターを守るために

に関してもお話いただきましたが、今回こちらについては割愛させていただきますが…まさに秘伝の内容でした。

まとめ

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松永:
優れたゲーム作品を作ることは、情熱なしでは成し遂げられません。
ですが、その作品性を保ったまま、運営を行っていくためにはその作品性を理路整然と整理する必要があります。
パッケージを売ればビジネスの成功につながる市場ではないことを念頭に置いた上で「損なわれないものづくり」を成し遂げて、
市場のゲームファンを満足させていきましょう!

アツい情熱とクールなロジックに裏打ちされた松永純さんの講演は大変勉強になりました!
会場アンケートでも過去最高クラスの満足度をいただくことが出来ました。
松永さん、セガ・インタラクティブの皆さん、そしてお集まりいただいた参加者の皆さんありがとうございました。

なおFAbank掲載中のセガ・インタラクティブの求人情報はこちら、株式会社トライブHP掲載中のゲーム案件一覧はこちらよりご覧ください。

これからもhireLinkをよろしくお願いいたします。

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